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誰でも審査に通るマイカーローンはない

車の購入は一大イベントです。
車雑誌やWebなどで情報を集め、車種を絞りつつディーラーに通いつめ、試乗を繰り返してやっと車種を決定しました。
そこからディーラーの営業マンとの地道な値引き交渉を経て、ついに購入が決まった時は、テンションがMAXに上がっているはずです。
ところが、頭の中で納車日の予定を立てていると、

天国から地獄へ真っ逆さまです。
実はマイカーローンの審査は意外と厳しいものです。決して他人事ではありません。
そこで今回の記事では、
- 審査の厳しいマイカーローンと甘いマイカーローンがある理由
- 審査の厳しいのは銀行系、甘いのはディーラー系
- 審査に落ちてしまう理由
- 審査が甘めのおすすめマイカーローン
などについて詳しく解説していきます。マイカーローンの審査に不安を持つ方必見の内容です。
なぜ審査が厳しいところと甘いところがあるのか


それはマイカーローンを提供する金融機関やローン会社に、それぞれ異なる営業目的や方針があるからなのです。
そこで次からはマイカーローンの提供先をそれぞれ詳しく見ていきます。
マイカーローンの提供元は3種類ある
マイカーローンの提供元は、
- 「銀行系」
- 「信販系」
- 「ディーラー系」
の3種類に大きく分けることができます。
銀行系
銀行などの金融機関は「利子を付けてお金を貸し出し、それを回収して利益を得る」というビジネスモデルです。
審査でも「確実に資金を回収できる人」かどうかを審査します。したがって審査が厳しくなるわけです。
また銀行などの金融機関は「万が一資金が回収できなかった場合」というリスクを避けるため、契約者との間に別途信販会社などの保証会社を入れています。
契約者が返済不能になった場合、保証会社に立て替えて支払ってもらうというわけです。
ただ保証会社も立て替え払いといったリスクはできるだけ避けたいので、やはり厳しく審査をします。
信販系
クレジットカードなどを発行している信販会社もマイカーローンを提供しています。
ただ銀行系と異なるのは、主目的が「貸したお金の回収」ではなく、「どんどん買い物をしてもらい、手数料を稼ぐこと」にある点です。
そのため銀行系に比べると審査が甘くなります。
また保証会社は信販会社が兼ねていることが多く、信販系のマイカーローンの場合は「ダブルチェック」がないという点も、銀行系より審査が甘めになる理由となっています。
ディーラー系
ディーラーの仕事は「車を売ること」です。
人事考課や給料査定も販売台数ベースで行われますし、営業マンは車を売ることで歩合が付きます。
せっかく車を買いたいというお客様がいるのに、

となってしまっては困るわけです。
審査に落ちる理由を理解しよう

いくら審査の甘いディーラー系のマイカーローンでも、審査に落ちてしまうことはあります。
そこでここでは審査に落ちる理由を解説していきます。
逆にこれらの点に気をつけていれば、マイカーローンの審査に通る可能性が上がるわけです。

過去に金融事故を起こしている
過去に金融事故を起こしていると、マイカーローンの審査に通ることは難しくなります。
金融事故を起こした人物は信用情報を管理する信用情報機関に個人情報が登録されます。いわゆる「ブラックリストに載る」といわれる状況です。
金融事故にあたる代表的な問題は、以下のようなものがあげられます。
長期延滞
長期延滞とは、ローンやクレジットカードの返済を2~3ヶ月以上の長期に渡って、延滞した場合を指します。
債務整理
ローンやクレジットカードの支払いを含む、いわゆる「借金」を減らすために「任意整理」や「破産」などの手続きを行うことを「債務整理」といいます。
代表的な例は、CMなどで「借金が半額になります」と謳っている法律事務所や司法書士事務所に依頼して、借金の減額措置などを行った場合がこれにあたります。
代位弁済
代位弁済とは、自分でローンや借金などの返済ができなくなり、保証会社などに肩代わりしてもらうことを指します。
強制解約
強制解約とは、長期延滞などが続き、ローン会社やクレジットカード会社から「強制的に契約を打ち切られること」をいいます。
ローンやクレジットの支払を延滞していたことがある
長期延滞までいかなくても、直近1年でローンやクレジットカードの支払い、携帯電話の割賦払いなどの延滞がある場合、マイカーローンの審査に落ちる場合があります。
収入における返済負担率が高い
返済負担率とは、「年中のうち、何%を借金の返済やクレジットカードの支払いに充てているか」を示すものです。
いくら収入が高くても、そのほとんどが借金などの返済に充てられている場合は、マイカーローンの審査には通りません。
返済負担率は、
- 借金などの年間返済額÷年収×100
で計算されます。年間返済額に含まれる主な借金は、
- 住宅や他の自動車などのローン
- カードローン・クレジットカードのキャッシング
- クレジットカードの分割払い・リボ払い
- 携帯機種代金の割賦払い
- 奨学金
などとなっています。この返済負担率が、35~40%程度になると審査に通ることが難しくなります。
つまり年収が600万円あっても、
- 住宅ローン月12万円(年間144万円)
- 今回の自動車ローン予定額月5万円(年間60万円)
- 携帯機種代金の割賦払い月5,000円(年間6万円)
- クレジットカードのリボ払い月2万円(年間24万円)
の返済をしていると、年間返済額が234万円になるので、返済負担率は、
- 234万円÷600万円×100=39.0%
となり、審査に通ることは難しくなります。
直近に他にもローンの申込みをしている
マイカーローンの申し込みの直近に、他のローンなどの申込を複数している場合は、審査に通ることが難しくなります。
特にカードローンのような高金利のローンの申込をしている場合は、「お金に困っているのか?」という疑念を持たれてしまうので、注意が必要です。
雇用形態が正社員以外である
マイカーローンの審査で何を審査するかというと、「確実にローンを返済してくれる能力があるか」という点です。
したがってまず「安定した収入」があることが一つの条件となります。
一定以上の年収がない
収入が安定していても、年収ベースで200万円以下の場合は、一般的にマイカーローンの審査に通ることは難しくなります。
上記した返済負担率の面でも厳しくなりますし、年収から生活費、住居費などを差し引くと、マイカーローンの返済は困難になると考えられるからです。
就職・転職して1年以内である
理由は上記した雇用形態の場合と同じです。
就職・転職して1年以内の場合、まだ職場に定着しているとは言えず、退職、再転職の可能性があります。
そうなると収入が不安定となるので、審査に通りにくくなってしまうのです。
税金を滞納している
納税は国民の義務です。その義務さえまともに果たしていないとなれば、返済能力に問題があると考えられても仕方ありません。
また税金や公共料金の支払いを滞納している場合、ローンの返済やクレジットカードの支払いも滞納している事が多いというのも理由となります。
職業が水商売、自営業、会社の経営者などの場合
水商売や自営業の場合、売上によって毎月収入が変化し、「安定していない」ことが原因です。職業差別があるわけではありません。
また会社の経営者や役員の場合、マイカーローンで融資を受けたお金を事業資金などにまわしてしまう可能性があるため、審査に通りにくくなっています。
勤務先や収入などについて虚偽の申告をしていた場合
現在正社員以外の雇用形態だったり、求職活動中だったような場合、勤務先を偽り過去の勤務先で申込をしても、すぐに発覚してしまいますし、当然審査は通りません。
また年収を誤魔化して多めに記入した場合も、業種や会社の規模、年齢、勤続年数からおおよその年収は分かるので、こちらも嘘は通用しません。
ディーラー系でも審査に落ちる場合の理由
銀行系や信販系に比べると審査の甘いディーラー系のマイカーローンですが、それでも審査に落ちてしまう場合は理由として、
- 直近で金融事故を起こしている
- 同系列のクレジット会社で支払い延滞中
といった点が考えられます。特に同系列のクレジット会社には注意が必要です。
ディーラー系マイカーローンの場合、販売会社の金融子会社がローンを提供することが多くなっていますが、実質的には信販系の会社が委託を受けていることが多く、その信販系のクレジットカードで支払いの延滞を起こしていると、さすがのディーラー系マイカーローンでも審査には通りません。
審査が甘いマイカーローンの特徴

審査が甘いマイカーローンには特徴があります。
その特徴を覚えておけば審査が甘いかどうか、おおよそ予測をすることが可能です。
その特徴とは以下の2点となります。
金利が高い
審査の甘さと金利の高さは、比例関係にあります。
一般的な借金でも、「銀行→ノンバンク→消費者金融→闇金」というように、審査がゆるくなり、簡単にお金を貸してくれるところほど金利は高くなります。
これは審査を甘くすると、「返済が滞る=貸し倒れの可能性が高くなる」ので、その損失分を高金利でカバーしているというわけです。
ちなみに平均的な金利は以下のとおりです。
- 銀行系:年利1.8%~4%
- ノンバンク・信販系:年利1.9%~8.4%
- ディーラー系:年利3%~7%
「金利が安い!」と思ったマイカーローンであれば、まず審査が厳しいと思って間違いありません。

所有権留保が付く
「所有権留保」とは担保の一種です。通常車を購入すると、車の所有権は購入者に移転します。
ところが所有権留保の場合、車を購入した人(マイカーローンの申込人)に所有権が移転せず、ディーラーやローン会社に所有権が「留保」されます。
車の所有権はローン会社側にあるため、マイカーローンの返済が滞った場合は車を引き上げて中古車市場などで売却、ローン残金の返済に充当するということができるわけです。
いざという時にはこのような処分ができるため、審査を甘くしても多少のリスクはカバーできます。
逆に銀行系のマイカーローンの場合、基本的に所有権留保が付くことはありません。
審査が甘めのおすすめマイカーローン

「審査が甘い」という条件だと、必然的に銀行系マイカーローンは選択肢に入りません。
また信販系でも損保ジャパン日本興亜の「ジャパンだ・ネットマイカーローン」のように銀行系並の低金利を実現しているところは、審査が厳しいとみて間違いありません。
そこで今回は、信販系でも審査の甘めのところと、ディーラー系マイカーローンの有利な活用法をご紹介します。
審査の甘い信販系マイカーローン
オリコ
オリコはオートローンで業界トップのシェアを誇る信販会社です。
新車・中古車の販売会社、整備工場など、およそ車を扱っているところであれば、ほぼオリコのオートローンが利用可能です。
銀行系マイカーローンでは対応していない「残価設定型マイカーローン」や、まだローンが残っている車を買い替えたい場合に、今の車の残債と新しい車のローン金額を合わせてローンを1本化する「ツインリセットオートローン」を用意するなど、様々なニーズに応えるローン商品を用意しているのも魅力です。
セディナ
セディナは「オートローン」と「マイカーローン」の2種類の自動車ローンを扱っていますが、このうち「オートローン」はディーラーなどを介して申し込むため、実質的にディーラー系マイカーローンと考えて良いものです。
今回おすすめするのは、直接申し込むことのできる「マイカーローン」の方になります。
融資金額が300万円までとなり、金利も6.4~8.4%と高めですが、その分審査は緩やかで、審査に自信のない方にはおすすめのマイカーローンとなっています。
ディーラー系マイカーローン
これまでお伝えしてきたように、ディーラー系のマイカーローンは審査が甘めです。
直近で金融事故を起こしているといったことがなく、定期的な収入があり、マイカーローンの実質的運営者である信販会社で支払い延滞を起こしていなければ、たいてい審査は通ります。
その上銀行系マイカーローンも真っ青の低金利を実現できる場合もあるので、ご紹介しておきます。
決算期などのキャンペーン金利を狙おう
「ディーラーの決算期になると値引きが有利になるよ」という話を聞いたことがあると思います。
決算期はどうしても目標販売台数を達成しなくてはならないため、多少ムリをしてでも車を売りたいわけです。
すると値引きだけではなく、「超低金利キャンペーン」といった販売促進策が行われる場合があります。
また「決算期はどうしても車が売りたい!」ということは、「多少ムリをしてでもローン審査を通してしまいたい」ということとなり、結果として審査が甘くなる時期だとも言えます。
最終手段は中古車販売会社の「自社ローン」
自社ローンとは?
自社ローンとは、中古車販売会社などが信販会社などを利用せず、自社の資金でローンをうけつけるマイカーローンです。
自社ローンのメリット
自社ローンを扱う中古車販売会社は金融機関ではないため、信用情報機関などにアクセスして個人の信用情報を調べることができません。
そのため一般的なマイカーローンの審査に落ちた場合でも、審査に通る可能性があります。
また貸金業の登録をしていないと金利を取ることができないので、金利がかかりません。
自社ローンのデメリット
そのため貸し出されるローン金額は60~120万円程度となっており、高額な車を購入する際には利用できません。
また金利を取ることができないかわりに、車両価格の10~20%が販売価格に上乗せされており、実質的にはかなりの高金利となってしまいます。
それでも不安な場合はできるだけ頭金を増やす

それでも不安な場合は、可能な限り頭金を増やすか、収入の安定した知人に保証人になってもらえるよう頼みましょう。
頭金の多さは資金面での信用向上に繋がりますし、保証人をつければ余程のことがない限り審査に落ちることはありません。
貴方が無事マイカーローンの審査をパスし、幸せなカーライフを送ることを応援しています。