損をしない!マイカーローン比較の本当のポイントとは?


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「ディーラーマンを相手に数時間の条件交渉。粘りに粘って大幅な値引きを引き出し、おまけにオプションまで付けてもらう。」

満足感いっぱい、自動車購入で一番テンションが上がる瞬間です。

ところが契約手続きになり、マイカーローンの話になると、さっきまでの熱意はどこへやらいってしまいます。

ディーラーマンにお任せで、簡単に署名捺印をしてしまいます。しかしちょっと待ってください。

マイカーローンを比較もせずに適当に選んでしまうと、支払総額が十万円以上も変わってくることがあります。

せっかく頑張って獲得した値引き額が簡単に吹き飛び、思わぬ損をしてしまう可能性があるのです。

そこで今回はマイカーローン選びで損をしないための、比較のポイントをお伝えします。

具体的には、

  • マイカーローンの提供先別メリット・デメリット
  • 金利が上がると総返済額はどれくらいあがる?
  • 固定金利と変動金利はどちらがおすすめ?
  • マイカーローンを比較する時の注意点

などについて徹底的に解説。自動車の購入を考えていて、マイカーローンの比較をしている人必見の内容です。

ぜひ最後までお付き合いください。

マイカーローンは3系統ある

マイカーローンの提供先には、

  • 「銀行系」
  • 「信販系」
  • 「ディーラー系」

の3系統があり、金利や審査の厳しさなどに違いがあります。それぞれのメリットとデメリットとともに、特徴を見ていきましょう。

銀行系

住宅ローンと同様に、銀行や信用金庫などが提供するマイカーローンです。

銀行系マイカーローンのメリット

金利が安い

銀行系のマイカーローンの最大のメリットは「金利が安い」ということです。超低金利時代が続く現在、2%~4%程度となっています。

また住宅ローンや給料振込み利用者には、金利優遇措置があるなど、更に魅力の多いものとなっています。

長期ローンが可能

住宅ローンなどもあつかう銀行系のマイカーローンは、「信頼できる人に低金利で長期間融資して収益を得る」というビジネスモデルとなっています。

そのためディーラー系では扱っていない、長期ローンが可能となっており、120回払(10年)にも対応しています。

月々お手頃な返済額で、超高級車を購入するという夢を実現させてくれるわけです。

またこのような長期ローンでは金利の負担が大きくなりますが、銀行系は低金利であるため、金利負担を最小限に抑えることができます。
所有権留保が付かない

マイカーローンを申し込むと、「所有権留保を付けさせていただきます」と言われることがあります。

所有権留保とは担保の一種で、マイカーローンの返済期間終了までの間、購入した車の所有権をディーラーやローン会社が持つというものです。

ローン契約者の支払いが滞り支払不能になった場合、対象の車を引き上げ、売却してローンの残債を精算するわけです。

もちろんマイカーローン契約者は実用上自由に車を使用できるわけですが、車検証の所有者の欄にはローン会社などの名前が記載されており、せっかく購入したのに「借りた車に乗っている」感じがして気持ちのいいものではありません。

その点銀行系のマイカーローンでは所有権留保がつくことはありません。審査を厳しく行うため、担保を取る必要が無いからです。

銀行系マイカーローンのデメリット

審査が厳しい

低金利でマイカーローンを提供できるのも、所有権留保がつかないのも、「信頼できる契約者」にしか融資をしないからできることです。

つまり銀行系の審査は信販系、ディーラー系に比べ最も厳しくなっています。

銀行系の場合、契約者が支払不能に陥る状態、いわゆる貸し倒れは絶対に避けたいという方針があります。

そのため自らが行う審査を厳しくすることに加え、間に保証会社をはさんで貸し倒れのリスクを更に低くします。

仮に契約者が支払不能に陥っても、保証会社に肩代わりをして払ってもらうというわけです。

ただ保証会社の方でも貸し倒れは避けたいため、厳しく審査をします。

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この銀行系自身と保証会社の「二重の審査」があるため、銀行系の審査はとても厳しくなります。
融資までに時間がかかる

厳しい審査を行うということは、細かい点までチェックするため時間がかかります。また保証会社との2重の審査をするため一層時間がかかります。

そのため銀行系のマイカーローンの場合、実際に融資が実行されるまでに最長2週間ほどの時間がかかります。

決算期などの場合、「月末までに新車登録していただければ値引きをします」という条件提示をされることがありますが、銀行系のマイカーローンの場合融資が実行されず、登録が間に合わないこともあるので注意が必要です。

保証料がかかる

銀行系のオートローンの場合、保証会社を間に入れることが多くなっています。保証会社も無料で債務を保証するわけではないので、当然保証料がかかります。

最近の銀行系オートローンでは「保証料は不要」と謳っているものも多くなっていますが、利息に保証料分が含まれているのが実情です。

残価設定ローンを組むことができない

残価設定ローンとは、3年後や5年後の車の残価(下取り価格)を最終回の支払いに据え置いて、残りの額を分割で支払う形式のマイカーローンです。

ローンの最終回時には、

  • 新車に乗り換える
  • 車を返却する
  • 残価分を一括精算する
  • 再ローンを組む

といった精算方法が選択できます。

残価を据え置くことで、月々の支払額をグッと抑えることができるため、高価格帯の車種が多い輸入車業界で採用され、今では国産車業界でも一般的になりつつあります。

ただこの残価設定ローン、ローンの最終回時に「新車への乗り換え」「車の返却」という精算方法があるため、車を販売したり、車を引き取り中古車として再販するルートがないと、精算することができなくなってしまいます。

銀行を始めとする金融機関は、このようなルートを持たないので、残価設定ローンを提供することができないのです。

信販系

クレジットカードなどを発行している、信販会社が提供するマイカーローンです。

信販系マイカーローンのメリット

銀行系よりも審査が厳しくない

保証会社は、信販会社が兼ねていることが一般的です。

そのため信販会社が自社でオートローンを提供する場合、保証会社の保証を付ける必要がありません。

結果的に銀行系のオートローンのように「銀行+保証会社」の二重審査になることがないので、銀行系よりも審査が緩やかになります。

審査結果がすぐに分かる

二重審査がないことは審査結果が出るスピードにも影響します。

結果が出るのに、1~2週間を要する銀行系に比べ、信販系はほぼ即日で結果がわかります。

長期ローンに対応している

信販会社も銀行と同じく、お金を貸した利息や、クレジットカードで買い物をした際の手数料で利益を上げています。

そのため利息や手数料の多く取れる長期ローンは大歓迎なわけです。

信販系マイカーローンのデメリット

金利が高い

信販系のマイカーローンの金利は、1.9%~8.4%程度とかなり幅がありますが、一般的に銀行系よりも高金利となっています。

基本的に審査の厳しさと金利の高さは比例しており、審査が厳しくなるほど金利は低くなります。信用できる人にお金を貸しているので、貸し倒れというリスクに備えなくて良いためです。

したがって銀行系より、審査の緩やかな信販系は金利が高くなるわけです。

所有権留保がつく

審査が緩やかということは、契約者の返済が滞り、返済不能になる可能性が高くなるということです。

そのため金利を高くしているわけですが、それだけではなく、万が一の時のために「所有権留保」という担保を抑えておきます。

銀行系ではなかった所有権留保ですが、信販系のマイカーローンの場合、融資の条件としてついてしまうことが多くなっています。

ディーラー系

自動車の販売会社であるディーラーが提供するマイカーローンです。

ディーラー名のついた「●●ファイナンス」といった子会社を設立し、その会社名で融資を行います。

ただ実際には、信販会社と提携して保証会社になってもらっていることがほとんどなので、信販系のマイカーローンとよく似た内容となっています。

ディーラー系マイカーローンのメリット

銀行系、信販系に比べ、審査が厳しくない

ディーラーの仕事は「車を売ること」です。

契約が成立したと思っても、マイカーローンの審査が通らない場合販売できないため、なんとかして審査を通そうとします。

そのため金利や手数料で利益を上げる銀行系や信販系に比べ、審査が緩やかになるのです。

銀行系のマイカーローンの審査で落ちた場合でも、ディーラー系で申し込んでみると審査に通る場合があります。

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審査の基準が違うためこのようなことが起こるのですが、どうしても審査に通りたい場合は、ディーラー系で申し込むことをおすすめします。
審査結果がその場でわかる

自動車販売の世界は熾烈な競争社会です。他の自動車メーカーだけではなく、同じ自動車メーカーの他ディーラーでさえライバルとなります。

そのためローンの審査結果が出るのに1週間も2週間もかかっているようでは、お客様の気が変わり、他のディーラーに取られてしまいます。

そこでディーラー系のマイカーローンでは、審査結果は即日、ほとんどの場合は数時間以内に結果がわかるようになっています。

ローンの申し込み手続きが簡単

マイカーローンの申込みは購入した車両の注文書や車両データなど、様々な書類を揃えるとともに、申込書類に細かい記載事項を記入する必要があり、かなり面倒な作業です。

その点ディーラー系のマイカーローンでは、手続きのほとんどをディーラーマンが代行してくれます。

契約者は署名捺印をする程度です。実に簡単に申込みが完了します。

残価設定ローンを組むことができる

月々の支払額を少しでも抑え、「月々たった○○円で車が購入できます」というアピールをしたいというディーラー側のニーズから生まれたのが、残価設定ローンです。

そのため当然のように、ディーラー系のマイカーローンでは残価設定ローンを扱います。

しかも3年後、5年後というローンの精算時期になると「新車に買い替えて精算する」という需要が見込めるため、ディーラー系では積極的に残価設定ローンを勧めてきます。

ディーラー系マイカーローンのデメリット

金利が高い

上記したように、審査の厳しさと金利の高さは比例します。最も審査の緩やかなディーラー系は、最も金利が高くなるわけです。

ただディーラー系の場合は、「販売促進費」を使って戦略的に金利を下げており、一部の信販系よりは安い金利になっています。

また決算期など特に販売台数を伸ばしたい時期には、「低金利キャンペーン」と銘打って、銀行系より低い1%台の低金利でローンを申し込める場合もあります。
長期ローンに対応していない

1台でも多くの車を販売したいディーラーでは、長期ローンを組まれて長い間車を買い替えてもらえないと困ってしまいます。

そのためディーラー系のマイカーローンでは、5年(60回)までがほとんどで、7年(84回)を超えるローンに対応することはほとんどありません。

所有権留保がつく

審査が緩やかなため、支払不能リスクを担保する所有権留保が付くことがほとんどです。

金利が1%違うと返済金額が数万円単位で変わってくる

住宅ローンの金利を気にする人でも、マイカーローンの金利には注意を払わない人が多いようです。

しかし、金利が1%違うだけでも、総返済額が数万円から時には十万円以上も変わってくるのです。がんばって勝ち取った値引きなど一瞬で吹き飛んでしまいます。

実際にどれくらい変わるのかをシミュレーションしてみましょう。

借入金額300万円で、36回、60回、84回払いを比較してあります。

利息36回(3年)60回(5年)84回(7年)
2.00%総支払額3,093,399円3,154,997円3,217,394円
利息額93,399円154,997円217,394円
3.00%総支払額3,140,771円3,234,364円3,329,752円
利息額140,771円234,364円329,752円
4.00%総支払額3,188,590円3,314,974円3,444,539円
利息額188,590円314,974円444,539円
5.00%総支払額3,236,857円3,396,822円3,561,745円
利息額236,857円396,822円561,745円
6.00%総支払額3,285,569円3,479,904円3,681,356円
利息額285,569円479,904円681,356円
7.00%総支払額3,334,726円3,564,216円3,803,355円
利息額334,726円564,216円803,355円

金利が1%上がると、36回払の場合約5万円、60回払で約8万円ずつ利息(=総支払額)が増えていきます。

金利にはシビアになる必要があることがお分かりいただけると思います。

最低金利ではなく、最高金利(上限金利)に注目する

銀行系のマイカーローンを検討しようとすると、金利が「1,70%~2,55%」というように幅を持って記載されています。

これは給与振込口座などをその銀行に持っているかという理由のほか、審査結果によっても適用金利に幅を持たせるためです。

つまり様々な条件が揃い、最高の信用情報を持つ人以外は最低金利は適用されません。
teacher
したがって検討する際は、最高金利(上限金利)に注目するようにしてください。

固定金利と変動金利はどちらがおすすめ?

マイカーローンの金利はローンを提供する会社によって、固定金利のみ、変動金利のみ、両方を提供というように分かれています。

man
「では、どちらを選ぶべきなのでしょうか?」

固定金利のメリット・デメリット

固定金利のメリット

利息の額が変わらないので、最終的な総支払額を計算することができ、支払い計画を立てやすいというメリットがあります。

また現在のような超低金利の時にローンを組んでおけば、今後金利が上昇しても金利が上がらないので、支払額を抑えられるという利点もあります。

固定金利のデメリット

同時期の変動金利に比べると、固定金利のほうが金利が高く設定されています。

そのためローンが終わるまで金利が上昇しなければ、変動金利よりも総支払額が多くなります。

変動金利のメリット・デメリット

変動金利のメリット

同時期であれば、固定金利よりも金利が安いことがメリットとなります。

変動金利のデメリット

将来の利息の額が分からないため、返済計画が立てにくくなります。

また金利変動の影響を直接受けるので、バブル期のような金利上昇局面では支払額が大幅に増えてしまいます。

長期は固定、短期は変動がおすすめ

  • 5年(60回)を超える7年(84回)や10年(120回)というような長期ローンの場合は、金利変動リスクを考えて固定金利をおすすめします。
  • 3年(36回)といった短期の場合は、元々の金利が低い変動金利が有利になります。

マイカーローン比較の注意点

金利が安くても保証料が別途かかることも

最近では保証料は金利に含まれていることが多いのですが、低金利をアピールしたいために、別途保証料を設けているマイカーローンもあるので、注意が必要です。

優遇金利を活用しよう

銀行系のマイカーローンの場合、その銀行で住宅ローンを利用していたり、給与振込口座などを持っていると、「優遇金利」が適用されるケースがあります。

一般向けの金利が若干高くても、自分が利用している銀行の優遇金利のほうが低い場合があります。

マイカーローンを検討する際は、この点に注意してください。

ディーラーローンが超低金利になることも!

上の方でも説明しましたが、ディーラー系のマイカーローンでは決算期などになると「超低金利キャンペーン」が展開されることがあります。

中には「実質金利ゼロ」といったこともあり、見逃せません。

車の購入を考えている場合、メーカーのホームページなどをこまめにチェックし、情報収集を怠らないようにしましょう。

金利に関する情報に注意しよう

車の購入で重要なのは、目先の値引きなどよりも、「総支払額」です。支払額を左右するのは、マイカーローンの金利です。

ただ金利は国の金融政策や銀行などの方針、キャンペーンなどで日々変わっているものです。

teacher
そのためマイカーローンを比較する際には「金利の情報」をチェックするようにしてください。それも目先の金利だけではなく、キャンペーン情報なども含めて比較することが重要です。

少しでも有利な金利でマイカーローンが利用できることを応援しています。

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