日本では、相変わらず超低金利時代が続いています。しかしマイカーローンの金利は、比較的高いものが多いのが実状です。
ディーラーマンに勧められてディーラー系マイカーローンに申込むと、5~6%というケースも珍しくありません。
そのため、少しでも低金利のマイカーローンを探す必要があるわけです。
そこで今回の記事では、
- 金利が変わるとこんなに変わる支払額
- 低金利のマイカーローンなら銀行系
- 低金利のマイカーローンは審査が厳しい
- おすすめのマイカーローンはこれだ!
- マイカーローンの申込手続き、必要書類、返済方法
などについて詳しく解説していきます。
お得に車を購入したい人必見の内容です。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
金利が1%違うだけで大幅に変わる支払額


ローンの借入金額300万円で、36回(3年)、60回(5年)、84回(7年)の場合をシミュレーションしてみました。
利息 | 36回(3年) | 60回(5年) | 84回(7年) | |
---|---|---|---|---|
2.00% | 総支払額 | 3,093,399円 | 3,154,997円 | 3,217,394円 |
利息額 | 93,399円 | 154,997円 | 217,394円 | |
3.00% | 総支払額 | 3,140,771円 | 3,234,364円 | 3,329,752円 |
利息額 | 140,771円 | 234,364円 | 329,752円 | |
4.00% | 総支払額 | 3,188,590円 | 3,314,974円 | 3,444,539円 |
利息額 | 188,590円 | 314,974円 | 444,539円 | |
5.00% | 総支払額 | 3,236,857円 | 3,396,822円 | 3,561,745円 |
利息額 | 236,857円 | 396,822円 | 561,745円 | |
6.00% | 総支払額 | 3,285,569円 | 3,479,904円 | 3,681,356円 |
利息額 | 285,569円 | 479,904円 | 681,356円 | |
7.00% | 総支払額 | 3,334,726円 | 3,564,216円 | 3,803,355円 |
利息額 | 334,726円 | 564,216円 | 803,355円 |
金利が1%違うと、36回払いの場合で約5万円、60回払いの場合では約8万円も支払額が変わってくることが分かります。
値引き交渉で必死に引出した値引き額が、金利によって簡単に変わってしまうのです。
低金利のマイカーローンなら銀行系を狙う


マイカーローンの提供先には、次の3系統があります。
1.銀行系マイカーローン
銀行や信用金庫など、一般の金融機関が提供するマイカーローンです。
窓口でももちろん申込みができますが、最近ではネット申込みが可能なところも増えています。
銀行系マイカーローンのメリット
金利が安い
銀行系マイカーローンの最大のメリットは、「金利が安い」ということです
審査を厳しくして「確実に返済してくれる人」を厳選するため、貸し倒れのリスクが少なく、低金利で提供することが可能になっています。
また同じ金融機関で住宅ローンを利用していたり、給与振込口座を持っていたりすると、更に低金利でマイカーローンを利用できる場合があります。
最長10年までのローンを組むことができる
車を頻繁に買い替えて欲しいディーラー系では、36回、60回のローンが一般的で、長期ローンに対応していることは稀です。
一方住宅ローンなどの超長期ローンを扱う銀行系では、120回(10年)といった長期マイカーローンも扱っています。
所有権留保が付かない
所有権留保とは担保の一種で、ローンの支払が終わるまでは車の所有権が購入者に移らず、ディーラーやローン会社に「留保」されるというものです。
所有権がローン提供側にあるので、返済が滞った場合、車を引き上げて中古車市場などで売却し、残債額に充てることができます。
ただ銀行系マイカーローンの場合は、この所有権留保が付くことはほとんどありません。厳しい審査をするため、担保を取る必要がないためです。
銀行系マイカーローンのデメリット
審査が厳しくて通らないことがある
銀行や信用金庫などの金融機関のビジネスモデルは、「確実に返済してくれる人(法人)に融資をして、確実に回収し、利益を得る」というものです。
そのため、返済能力があるかどうかという審査を非常に厳しく行います。
また銀行系の場合、万が一にも返済不能による貸し倒れがあってはいけないため、間に保証会社を入れることが多くなっています。
契約者が返済不能になった場合は、この保証会社が代わりにお金を払ってくれるわけです。
ただ保証会社も貸し倒れはできるだけ避けたいので、やはり厳しく審査をします。
融資実行までに時間がかかる
審査を厳しく念入りに行うこと、また保証会社と二重審査をするため、銀行系マイカーローンの場合、申込みから融資が実行されるまでに10日~2週間ほどかかります。
そのため余裕を持って、申し込み手続きを行う必要があります。
残価設定型ローンを組むことができない
残価設定型ローンとは、数年後の車の「残価」を予め設定し、その額を差し引いた額を分割で支払っていくローン方法です。
月々の支払額を大幅に抑えることができるため人気となっています。
残価の精算については、最終回の支払いの時に、
- 同じ自動車メーカーで新車に乗り換える
- クルマを返却する
- 残価を一括で支払う又は再分割で支払っていく
という方法から選ぶことができます。
というのも銀行などでは、最終回の支払い時に新車を提供することはできませんし、車を返却してもらっても売却する中古車ルートを持っていません。
残価精算の手段が無いため、提供ができないのです。
2.信販系マイカーローン
クレジットカードなどを発行している、信販会社が提供しているマイカーローンです。
信販系マイカーローンのメリット
銀行系より審査が緩やかである
「お金を貸して回収すること」がビジネスモデルである銀行系とは異なり、信販系の場合は「買い物をして決算手段として信販会社を利用してもらい手数料をもらうこと」で利益を得ます。
そのため、多くの人に利用して貰う必要があり、結果的に審査が緩やかになります。
また銀行系が利用する保証会社は、信販会社が請け負うことがほとんどです。
審査結果がすぐ分かる
銀行系のように保証会社との二重審査が必要なわけではないので、スピーディーに審査結果が分かります。
基本的には当日、早ければ数十分以内に審査結果が分かるため、購入手続きがスムーズに進み、結果的に納車時期も早まります。
信販系マイカーローンのデメリット
金利が高い
信販系マイカーローンの場合、保証会社を介すること無く、また比較的審査が緩やかなため、契約者の返済不能のリスクは、信販会社が負わなくてはなりません。
そのリスク担保するため、どうしても金利が高くなっています。
所有権留保が付いてしまう
銀行系に比べ審査が緩いということは、契約者の返済不能のリスクが高くなるということになります。
3.ディーラー系マイカーローン
車を販売するディーラーが金融子会社を設立し、マイカーローンを提供しています。
実際の業務は、信販会社などが請け負うことがほとんどです。
ディーラー系マイカーローンのメリット
審査が緩い
ディーラーの仕事は「車を売ることです」。給料も人事査定も全て販売台数を元に決定されます。
そのため、とにかく1台でも多く車を販売しなければなりません。
「マイカーローンの審査に通りませんでした」という理由で、販売できないという事態はできるだけ避けたいわけです。
そのためディーラー系マイカーローンの審査は、信販系に比べても更に緩くなっており、余程のことが無い限り通る用になっています。
基本的に審査結果がその場でわかる
審査に時間がかかっていては、その間にお客様の気が変わり、「やっぱり他の車にします」と言われかねません。
そのためディーラー系マイカーローンの審査結果はスピーディーです。基本的に数十分以内で審査結果が分かるようになっています。
ローン申し込み手続きが簡単
マイカーローンの申込で一番面倒なのは、車の詳細なデータを入力したり、車の注文書など必要書類を揃えなければならないことです。
契約者は名前と住所を記入して捺印するくらいで、簡単に手続きが終わります。
残価設定型ローンを組むことができる
中古車の売却手段を持たなかった銀行系と異なり、車を扱うプロであるディーラーでは、残価設定型ローンを組むことができます。
元々高額な車を、「少しでも月々の支払額を減らして売る」という目的でディーラーが考えた仕組みですから、当然のことです。
ディーラー系マイカーローンのデメリット
金利が高い
銀行系や信販系に比べ審査が緩いディーラー系マイカーローンでは、その分適用金利が高くなっています。
銀行系や信販系との比較は、おおよそ以下のようになります。
- 銀行系:年利1.8%~4%
- ノンバンク・信販系:年利1.9%~8.4%
- ディーラー系:年利3%~7%
所有権留保が付く
審査のゆるいディーラー系マイカーローンの場合、契約者が返済不能になるリスクが高くなります。
それを担保するために高金利を適用するのですが、それだけではなく、所有権留保をつけ担保とします。
低金利のマイカーローンは審査が厳しい

審査が厳しい理由
低金利と審査の厳しさは裏表の関係です。
低金利で貸し出しているのだから、確実に返済してもらわなくては割に合わない=審査が厳しくなる、と言えますし、ほぼ確実にお金を返してくれるのだから、「高金利」というマージンを取らなくても良い、ということも言えます。
どちらにせよ、「低金利のマイカーローン」の審査に通るためには、審査に落ちる原因をできるだけ排除しておく必要があります。
そこでここからは、審査に落ちる原因について解説していきます。
審査に落ちる原因
過去に金融事故を起こしている
1~5年以内に金融事故を起こしていた場合、審査にはまず通りません。
金融事故とは、
- ローンやクレジットカードの支払などを2~3ヶ月以上延滞する「長期延滞」
- 任意整理や破産など借金を減らす手続きを行う「債務整理」
- 自分では借金の返済ができず、保証会社に支払いを肩代わりさせる「代位弁済」
- 長期延滞など契約者の過失により金融会社から契約を打ち切られる「強制解約」
などを指します。
これらの金融事故を起こしていると、個人情報が信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」状態となってしまうわけです。
クレジットカードの支払いなどを延滞したことがある
直近半年~1年以内に、ローン、キャッシングやクレジットカードなどの支払い、携帯電話の割賦払いに延滞があるなど、長期延滞に当たらない短期の延滞でもブラックリストに載り、審査に落ちる場合があります。
収入における返済負担率が高い
返済負担率とは「年収のうち、どれ位の額を借金返済に充てているか」を割合で示したものです。
- 年間返済額÷年収×100
という計算式で算出します。年間返済額には、
- 住宅ローンなど
- クレジットカードのリボ払い
- 携帯電話の割賦払い
- 奨学金の返済
などが含まれます。
正社員以外の雇用形態である
お金を貸す側としては、とにかく「定期的かつ安定した返済」をしてもらう必要があるわけです。
そのためには、安定した収入が必要となります。
そこで契約をいきなり打ち切られてしまう可能性のある、派遣社員・契約社員の場合は「安定した収入が見込めない」と判断されてしまい、審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
一定以上の年収が無い
一般的に年収200万円以下の場合、マイカーローンの審査に通ることは難しくなります。
上記した返済負担率が高くなりますし、安定した収入とは言えないからです。
就職・転職して1年未満である
就職や転職して1年未満の場合、職場に定着していると言えないため、離職するリスクが高くなります。
そのため、雇用形態と同じ理由で収入が安定していないと判断され審査に通りにくくなります。
特に審査の厳しい銀行系のマイカーローンを考えている場合は、転職などは控えることをおすすめします。
審査が心配な場合の対策
上記した「審査に落ちる原因」に当てはまる場合や、審査に通るか心配な場合でも、以下のような対策を取れば、審査に通ることがあります。
保証人をつける
金融機関やローン会社としては確実に返済をしてもらうことができれば、問題が無いわけです。
ただ金融事故などを起こしている場合は、配偶者、同居の親族などが保証人になっても「金融事故を防ぐべきだったのに防がなかった人」とみなされ、効果がないので注意が必要です。
頭金を増やす
頭金を増やすのも有効な方法です。
ローン金額が減りますし、それだけの現金を用意できるということで信用が高まるからです。
金利以外の注意点

保証料は表示金利に含まれているのか
上でご説明したとおり、銀行系のマイカーローンの場合、間に保証会社が入ることがほとんどです。
そのため、保証会社の保証料が発生します。
固定金利か変動金利か
銀行系のマイカーローンの場合、固定金利と変動金利を選ぶことができる場合があります。
その場合、同時期であれば変動金利の方が金利が安いのでそちらを選びがちですが、変動金利の場合は当然ですが、ローン終了までの間に金利が変化していきます。
そのため、総支払額が当初考えていたよりも、多くなることがあるので注意が必要です。

審査や手続きにかかる時間はどうか
決算期などでは、大幅な値引きの交換条件として、「今月末までに新車登録していただければ」と言われることがよくあります。
すると審査から融資に時間のかかる銀行系のマイカーローンの場合、期限までに間に合わない恐れが出てきます。
低金利を狙って銀行系のマイカーローンを申し込んだが、大幅な値引き条件が取り消しとなり、結果的に総支払額が多くなってしまった、ということにならないように注意が必要です。
おすすめの低金利マイカーローン3選

1.損保ジャパン日本興亜
自動車保険で、有名な損保ジャパン日本興亜グループの信販会社です。
「ジャパンダ・ネットマイカーローン」という名前でマイカーローンを提供しており、固定金利で1.90%~2.85%と銀行系並の低金利を実現しています。
その上で銀行系ほど審査が厳しいわけではなく、ディーラー系のように所有権留保が付くこともないという独自のメリットがあります。
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行が提供する「ネットDEマイカーローン」は、低金利が特徴の銀行系マイカーローンの中でも最も低い金利を実現するマイカーローンです。
キャンペーンを頻繁に行っており、現在(2018年10月31日までの申込み分)については保証料込みで1.72%!(変動金利、500万円以上借入の場合。200万円超500万円以下の場合は変動金利2.5%)という超低金利でマイカーローンを提供しています。
名前の通りパソコンやスマホでの申込みに対応していて、「とにかく低金利を」という方にはおすすめのマイカーローンとなっています。
親和銀行
親和銀行のマイカーローン、「ニューオートローンDX」は保証料込みの金利で2.7%~3.3%という低金利を実現しています。
もちろんパソコンやスマホからの申込みにも対応しており、手続きのしやすさも申し分ありません。
そして最大の特徴は、銀行系のマイカーローンでありながら「残価設定型」のマイカーローンを組むことができる点です。
裏技!ディーラー系マイカーローンのキャンペーンを狙う
低金利のマイカーローンを探すのであれば、基本的に銀行系のマイカーローンを選ぶべきですが、裏技として、ディーラー系マイカーローンのキャンペーンを狙うという方法があります。
ディーラーはなんといっても車を売らなければいけないことは先程ご説明しましたが、決算期になるとそのプレッシャーはより強くなります。
年間の販売計画により、販売台数が決められているからです。
そこで皆さんもよくご存知のように、決算期になると「大幅な値引き」が期待できるのですが、金利についても有利な条件が引き出せることが多いのです。
金利を1%下げれば総支払額が5~10万円変わってくるのですから、値引きしているのと変わらないことになります。
そのため決算期になると各ディーラーは「低金利キャンペーン」を展開します。
特に元々の車両価格が高い輸入車ディーラーではその傾向が強く、「1.99%」「0.99%」といった銀行系のマイカーローンを下回る超低金利を提供することも珍しくありません。

マイカーローンの申込手続き、必要書類、返済方法

申し込み手続きのほとんどをディーラーマンが代行してくれるディーラー系マイカーローンと違い、銀行系や信販系の場合は自分で必要書類を用意し、申込み手続きをしなければなりません。
ここでは、マイカーローンの申し込み手続きの流れと必要書類一覧、返済方法などについて解説します。
マイカーローンの申込手続き
- 審査の申請
- 必要書類の提出→審査開始
- 審査結果の回答
- 契約手続き
- 融資金額振込
マイカーローンに必要な書類一覧
- 本人確認書類
- 運転免許証
- パスポート
- 住基カード
- マイナンバーカード
などのうちいずれかです。
- 車両契約書・注文書
- 収入証明書類
- 源泉徴収票
- 住民税決定通知書
- 所得証明書
- 確定申告書
などのうちいずれかです。
目的は支払額を減らすこと
低金利のマイカーローンを選ぶことはもちろん大切ですが、それはあくまでも手段であって、目的は「総支払額を減らすこと」や「月々の支払いを無理のないものにすること」ことです。
そのため返済方法をボーナス併用にするのか、ボーナスは使わず、月々平均して支払うのかという返済計画が大切になってきます。
- まとまったお金が入った時に一括返済はできるのか?
- 一括返済時の手数料はいくらかかるのか?
といった点も、総支払額を減らすためには重要な問題です。金利以外にもこういった点にも気をつけるようにしてください。
皆さんが少しでもお得に車を購入できることを応援しています。