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実はそんなに難しくないマイカーローンの借り換え

車を購入する時は、何よりも「車が欲しい!」という想いが勝っています。
そのため満足する値引き額さえ引き出せれば、マイカーローンの月々の支払い額は少々高くても気にならず、

と考えてしまいがちです。しかし実際に毎月の支払いが始まってみると、

と後悔してしまうものです。
そこでマイカーローンの借り換えを考え始めますが、ディーラーマンが全てやってくれた書類の準備や申込み手続きを今度は自分でやらなくてはならず、

となってしまいます。今回はそんなマイカーローンの借り換えを検討している方に向け、
マイカーローン借り換えのメリット・デメリット
- 借り換えるマイカーローンの選び方
- マイカーローン借り換え時の注意点
- マイカーローン借り換えの手続き・必要書類一覧
などの点について徹底的に解説していきます。
この記事さえ読んでいただければ、マイカーローンの借り換えは決して難しくはありません。ぜひ最後までお付き合いください。
ディーラー系のマイカーローンは金利が高い

マイカーローンを提供している会社には、
- 銀行系
- 信販系
- ディーラー系
の3系統があります。車を購入したディーラーで申し込むことができるため、ディーラー系のマイカーローンを利用している方も多いかと思います。
ちなみに平均的な金利は、以下のとおりです。
- 銀行系:年利1.8%~4%
- ノンバンク・信販系:年利1.9%~8.4%
- ディーラー系:年利3%~7%
ディーラー系と銀行系を比べると、1~5%ほど金利が違うことがわかります。
ただ注意が必要なのは、決算期など車を売りたい時期に契約した場合です。
そのような時期にはディーラー系のマイカーローンであっても、「キャンペーン金利」として超低金利を提供している場合があります。

借り換えのメリットデメリット

借り換えのメリット
金利が安くなる
マイカーローン借り換えの最大のメリットは、「金利が安くなる」ことです。
特に金利の高いディーラー系から金利の安い銀行系への借り換えは、このメリットを最大限に活かすことができます。
金利が1%違うと支払い金額はこんなに変わる

ローンの借入金額300万円、36回(3年)、60回(5年)、84回(7年)でシミュレーションしてみました。
利息 | 36回(3年) | 60回(5年) | 84回(7年) | |
---|---|---|---|---|
2.00% | 総支払額 | 3,093,399円 | 3,154,997円 | 3,217,394円 |
利息額 | 93,399円 | 154,997円 | 217,394円 | |
3.00% | 総支払額 | 3,140,771円 | 3,234,364円 | 3,329,752円 |
利息額 | 140,771円 | 234,364円 | 329,752円 | |
4.00% | 総支払額 | 3,188,590円 | 3,314,974円 | 3,444,539円 |
利息額 | 188,590円 | 314,974円 | 444,539円 | |
5.00% | 総支払額 | 3,236,857円 | 3,396,822円 | 3,561,745円 |
利息額 | 236,857円 | 396,822円 | 561,745円 | |
6.00% | 総支払額 | 3,285,569円 | 3,479,904円 | 3,681,356円 |
利息額 | 285,569円 | 479,904円 | 681,356円 | |
7.00% | 総支払額 | 3,334,726円 | 3,564,216円 | 3,803,355円 |
利息額 | 334,726円 | 564,216円 | 803,355円 |
6.0%と2.0%では、36回払で20万円弱、60回払では30万円強の支払額の差が出てきます。マイカーローンを乗り換えるだけで、これだけの金額が変わってくるのです。
10万円程度の値引き交渉で満足し、「ローンはディーラーにお任せ」などと言っている場合ではありません。
借り換えのデメリット
事務手数料や元のローンの一括返済手数料がかかる
「金利が安い!」と喜び勇んでマイカーローンの借り換えを申し込もうとすると、思わぬ費用がかかることがあります。
新しいマイカーローンの「事務手数料」と元のマイカーローンの「一括返済手数料」です。
事務手数料の方は無料の会社もあり、また金額もそれ程かかるわけではないのであまり問題にはなりませんが、一括返済手数料は金額がかさむ場合があります。
というのも、マイカーローンを提供する金融機関はお金を貸し出して、その利息で利益を得るわけですが、本来の貸出期間より前にまとめて返済されてしまう一括返済は、その利息の額が減ってしまいます。
つまり早めに返済を終えられてしまうと、本来儲かるはずだった利益が入って来なくなるわけです。
そこで各金融機関はその損失を補填するために「一括返済手数料」を徴収します。
これらの手数料がかかる点が、借り換えのデメリットとなります。なお、一括返済手数料もかからない金融機関もあります
時間と手間がかかる
マイカーローンの借り換えを検討する場合、金利の高いディーラー系から、金利の安い銀行系に借り換えることが一般的です。
というのも低金利でお金を貸し出すためには、確実に返済をしてくれる信頼できる人にお金を貸す必要があります。
そのためマイカーローンの申込みをしてきた人に対し、慎重に審査をしなければなりません。
更に銀行系の場合は、万が一ローン契約者が支払不能になった場合のために契約者との間に「保証会社」を介在させます。
ローン契約者が払えない場合は、保証会社に立て替えて払ってもらうためです。ただ保証会社としてもできるだけ支払不能といったケースは避けたいので、ここでも慎重な審査が行われます。
またディーラー系のマイカーローンの場合は、書類の準備や申込み手続きはほとんどディーラーマンが代行してくれましたが、銀行系の場合はそうは行きません。
自分ですべての書類を準備する必要があります。
更に元のマイカーローンの一括返済のための書類の準備、手続きもあるため、かなりの時間と手間がかかることを覚悟する必要があります。
借り換え先マイカーローンの選び方

金利が安いこと
わざわざマイカーローンを借り換えるのですから、「金利が安い」ことは絶対条件です。
銀行系のマイカーローンの金利を一括で比較できるサイトがあるので、それを利用します。ただその時、2つの点に注意して比較する必要があります。
固定金利と変動金利の違い
金利には、固定金利と変動金利があります。
固定金利はマイカーローン契約時からローン支払い終了時まで金利が変わらず、最終的な総支払額を計算することができるので、返済計画が立てやすいというメリットがあります。
ただ金利については、同時期の変動金利に比べると高めに設定されます。
一方変動金利は、同時期の固定金利に比べ金利が安いというメリットがありますが、一定期間で金利の見直しが行われるため総支払額は最後まで確定されず、返済計画が立てにくいというデメリットがあります。


また現在のように低金利時代の場合、ローン期間が長期の場合は金利が上がらない固定金利を、ローン期間が短い場合は、金利上昇リスクが小さいので、より金利の低い変動金利を選ぶという考え方もあります。
借り換えの場合は、残りのローン期間で判断します。
36ヶ月より短ければ変動金利、それよりも長ければ固定金利を選ぶことをおすすめします。
事務手数料が安いまたは無料なこと
今まで利用していたマイカーローンの一括返済手数料は変えることはできませんが、これから申し込む借り換え先のマイカーローンについては、金利とともに事務手数料も必ずチェックしましょう。
安いほうがいいのはもちろんですが、ネットバンクを中心に事務手数料の無料化という金融機関も増えています。
ネット申し込みができること
デメリットのところでも説明しましたが、銀行などの金融機関の店頭に行きマイカーローンの借り換え手続きを行うのには、大変な手間と時間がかかります。
そこで、ネット申し込みができる金融機関を選ぶようにします。
ネットバンクはもちろんですが、最近ではメガバンクや一般の銀行でもネット申し込みに対応しているところもあります。

マイカーローン借り換えの注意点

金利が下がり、総支払額が減るというメリットのあるマイカーローンの借り換えですが、現在の自分の信用状況や借り換え先の選択などによっては、借り換えができなかったり、総支払額が増えてしまう場合もあります。
ここでは、そんな借り換え時の注意点を解説します。
借り換え先のマイカーローンの審査に落ちる可能性がないか
上記したように、金利の低い銀行系のマイカーローンは審査が厳しくなっています。
そのため今までディーラー系のマイカーローンで問題なく審査に通っていても、借り換え先の審査で落ちてしまう場合があります。
そこで審査に落ちてしまう主な原因について解説します。
現在のマイカーローンで延滞をしていないか
また半年~1年以内に支払いが遅れるなどの短期の延滞をしていた場合も、審査に落ちる可能性が高くなります。
マイカーローンの借り換えを考えている場合、まずは現在の支払いを確実に行っておきましょう。
最近金融事故を起こしていないか
金融事故とは、
- ローンやクレジットカードの返済を2~3ヶ月以上の長期に渡って延滞する「長期延滞」
- 借金(ローンやクレジットカードの支払いも含む)を減らすために任意整理や破産などの手続きを行う「債務整理」
- 自分ではローンや借金の返済ができなくなり、保証会社などに代りに支払ってもらう「代位弁済」
- 長期延滞などが続き、ローン会社やクレジットカード会社から契約を打ち切られる「強制解約」
などのことを指します。1~5年以内にこれらの金融事故を起こしていた場合、マイカーローンの審査に通ることは難しくなります。
最近消費者金融やカードローンなどの申込みをしていないか
消費者金融やカードローンなど、高金利のローン、借金に申し込んでいた場合、「今お金に困っているのではないか?」と判断され、審査に通りにくくなります。
マイカーローンの借り換えを考えている場合、これらの申込みは控えるようにしましょう。
最近転職したり、雇用形態が変わっていないか
低金利で貸し出しをする銀行系のマイカーローンの場合、審査のポイントとなるのは申込者の「信用状況」です。
そのため転職を繰り返していたり、雇用形態が変わって正社員から契約社員、派遣社員などになっていた場合、収入が安定しないと判断され、審査に通らない場合があります。
マイカーローンの借り換えを考えている場合、最低半年は転職などを控えたほうがいいでしょう。
税金の滞納をしていないか
納税は国民の義務です。その納税さえ十分にできていない場合、返済能力に問題があると判断されてしまいます。
税金や年金料などは確実に支払っておきましょう。
必ずシミュレーションをする
金利が1%変わると総支払額が大きく変わるのは上で確認したとおりですが、借り換えからローン返済終了までの期間が短い場合、支払額に大きな差が出ない場合があります。
その場合、新規マイカーローンの事務手数料や元のマイカーローンの一括返済手数料が高額だった場合、借り換えをすることにより、かえって総支払額が増えてしまう場合があります。
そのため、
が必ずマイナスになるようにシミュレーションをしてください。
残価設定ローンからの借り換えは注意が必要
最終回の支払額を据え置く「残価設定ローン」は、月々の支払額を抑えることができるというメリットがありますが、マイカーローンの借り換えを考えている場合には、注意が必要です。
銀行系では残価設定ローンに対応していることが少ない
残価設定ローンでは、ローン期間終了時に
- 車を返却する
- 残金を一括で支払う
- 再度ローンを組む
といった方法で精算をします。
このうち車を返却された場合、金融機関側は中古市場などで車を売却し、残金の精算に充てなければなりません。
ところが中古車販売のルートを持っているディーラー系の場合は問題ありませんが、銀行系の場合はこのルートがありません。
月々の支払額が増えてしまう場合がある
たとえ借り換えができたとしても、借り換え後のローンでは残価設定ではない通常のローンになってしまう場合があります。
この場合、今まで支払額に含まれなかった残価が支払額に乗ってくるので、月々の支払額が一気に増えてしまう場合があります。
実際の借り換え手続き
1.新しいマイカーローンの仮審査を申し込む
まずは新しいマイカーローンを考えている金融機関に仮審査を申し込みます。
先に一括返済を申し込んでしまうと、新しいマイカーローンの審査に落ちた場合、支払いができなくなってしまうので順番に注意が必要です。
仮審査の結果は早ければ、1~2日ほどで通知がきます。
2.現在マイカーローンを契約している金融機関に一括返済を申し入れる
仮審査の結果通知が来たら、現在契約しているマイカーローンの一括返済を申し込みます。
3.新しいマイカーローンの本審査の手続きを進める
新しいマイカーローンの本審査手続きを開始します。後で説明する必要書類を提出します。
4.新しいマイカーローンの契約をする
必要書類の提出が終わり、本審査が終了した時点で新しいマイカーローンの契約をします。
5.借り換え手続きが実行される
契約が終了すると、早ければ3日、遅い場合は2週間程度で借り換え手続きが実行されます。
具体的には新しくマイカーローンを申し込んだ金融機関から、元のマイカーローンを提供していた金融機関にローン残金が振り込まれます。
6.新しいマイカーローンが始まる
後は今までと同じように、新しいマイカーローンの返済が始まります。
借り換え手続きに必要な書類一覧
借り換え手続きには、以下のような書類が必要です。

- 本人確認書類(運転免許証・パスポート・健康保険証など)
- 車検証
- 現在契約中のマイカーローンの返済予定表
- 給与証明書・源泉徴収票など収入を証明する書類
- 銀行印
まずは現在のマイカーローンの金利をチェックしましょう
以前は平日の営業時間内に金融機関に出向くなど、時間や手間がかかったマイカーローンの借り換えですが、ネット上での申し込み・審査ができる金融機関が増えてきたことから、そのハードルは下がりつつあります。
現在ディーラー系のマイカーローンを利用している場合、銀行系に借り換えると総支払額を大幅に減らすことができる場合があります。
ぜひマイカーローンの契約書を確認し、現在の適用金利をチェックしてみてください。