マイカーローンの金利計算・返済額の計算方法を丁寧に解説


自動車を買う為にローンを利用するのは、今や一般的になっています。

銀行で借りる自動車ローン(マイカーローン)やディーラーや、中古車屋さんで借りるクレジット系のマイカーローンなど、種類は様々あってどれを選んだらいいのか迷う事が多いのではないでしょうか。

マイカーローンを選ぶ際に、皆さん気にしているのが「金利」だと思います。

もちろん審査があるので、審査に通りやすいマイカーローンに申し込みをすると思いますが、その金利の支払額がいくらになるのか、事前に調べる事が出来ます。

今回は金利から返済額を計算する方法と、またそれを簡単に計算してくれる返済額シミュレーションができるホームページを紹介したいと思います。

金利に注意してマイカーローンを選ぼう

マイカーローンの金利がどれくらいなのか、高いのか低いのかわからず提示されたローンの申し込み用紙にそのまま記入して、後から金利が高額だったとびっくりされる方がいます。

マイカーローンの平均的な金利はいくらくらいなのでしょうか。

2018年6月現在、銀行系であれば「1.5%前後」から、クレジット系だと「10%以上」と金利にもかなりの幅があります。

man
「例えば、200万円のクルマを5年で買うとして、1.5%と10%ではどのくらい差が出てくるものなのでしょうか。」

まずは簡単に金利のシミュレーションができるサイトを使って計算してみたいと思います。

今回金利計算に使うのは、
三井住友銀行「返済額試算シミュレーション」

こちらのサイトに、借入金額200万円(ボーナス払い無し)、返済期間5年、金利を1.5%と10%で入れた際の違いです。

表1

金利毎月返済額総返済額
1.50%34,619円2,077,161円
10.00%42,494円2,549,587円

上記のように、たった5年の返済期間でもトータルの支払総額に、「約50万円も差」が発生する事がわかります。

まずはマイカーローンを選ぶ際に、金利が何%なのかしっかりと確かめてから申し込みをするよう注意しましょう。

元利均等返済方式と元金均等返済方式の違い

今はマイカーローンだけではなく、住宅ローンや教育ローンもほとんどが、「元利均等返済方式」となっています。

元利均等返済方式とは、簡単に言うと毎月の返済金が変わらず、「元金と利息の割合が毎月変化」している返済方式です。

「元金均等返済方式」は、「毎月の返済する元金は一定で、利息のみ変化」する返済方式となります。

そのため元金均等返済方式では、返済が始まったばかりの元金が多い時は毎月の返済が大きく、元金が減っていくにつれて利息も少なくなります。

毎月の返済金額が一定ではないため管理しづらく、最初の返済金が高いことから、あまり利用されなくなった返済方式です。一部住宅支援機構の住宅ローン等ではまだ利用しているケースもあります。

銀行系のマイカーローンを申し込む際に、元金均等返済方式を希望しても取り扱っていないケースが多いので、注意が必要です。

今回は、元利均等返済方式と、元金均等返済方式で毎月1万円ずつ返済した場合の例を紹介したいと思います。

例.10万円を借入して年利3%で毎月1万円ずつ返済する場合

1.元利均等返済方式の場合

表2

返済回数返済金残高元金利息
1¥10,000¥90,250¥9,750¥250
2¥10,000¥80,476¥9,774¥226
3¥10,000¥70,677¥9,799¥201
4¥10,000¥60,854¥9,823¥177
5¥10,000¥51,006¥9,848¥152
6¥10,000¥41,134¥9,872¥128
7¥10,000¥31,237¥9,897¥103
8¥10,000¥21,315¥9,922¥78
9¥10,000¥11,368¥9,947¥53
10¥10,000¥1,396¥9,972¥28
11¥1,399¥0¥1,396¥3

元利均等返済方式の場合は、上記の表・グラフのように「毎月10,000円の一定額」を返済しますが、利息の割合が元金が少なくなるにつれて減っていくのがわかります。

その分元金の返済金が大きくなっていくため、最後の方はほとんど「利息が無い状態」になります。

2.元金均等返済方式の場合

表4

返済回数返済金残高元金利息
1¥10,250¥90,000¥10,000¥250
2¥10,225¥80,000¥10,000¥225
3¥10,200¥70,000¥10,000¥200
4¥10,175¥60,000¥10,000¥175
5¥10,150¥50,000¥10,000¥150
6¥10,125¥40,000¥10,000¥125
7¥10,100¥30,000¥10,000¥100
8¥10,075¥20,000¥10,000¥75
9¥10,050¥10,000¥10,000¥50
10¥10,025¥0¥10,000¥25

元金均等返済方式の場合は、上記の表のように「最初の返済金額が大きい」金額となります。返済回数が進むにつれて元金の金額が減少していくため、利息の金額も少なくなっていくのがわかります。

メリットとすれば、元金を一定額返済しているため「元利均等方式よりも早く返済」が終わるということです。

しかし毎月の返済金額が一定ではないため、住宅ローンなどの残高が大きいローンや金利の高いローンを組んだ場合は、返済開始時から負担する金額が大きくなってしまうデメリットがあります。

元利均等方式と元金均等方式のメリット・デメリット

元利均等返済方式

メリット

  • 毎月一定金額で返済できるため返済計画が立てやすい。
  • 現状金融機関の返済方式はほとんどが元利均等返済方式である。

デメリット

  • 毎月の元金の減り方が一定ではないため自分で残高等を計算するのが難しい。

元金均等返済方式

メリット

  • 元金の減り方が一定であるため金利に係らず返済終了までの計算が簡単にできる。

デメリット

  • 元金に利息を足すことにより返済初期の月々の返済金額が大きくなってしまう。
  • 月々の返済金が一定額ではないため返済額の管理がしづらい。

メリット・デメリットを書きましたが、現状では返済金額が一定になる、「元利均等返済方式を採用」している金融機関や信販会社がほとんどです。

理由は元金均等だと初回の返済金が大きくなってしまう為、返済の管理が難しくなってしまうためです。

返済の遅れの原因にもなりかねないので、多くの金融機関は、返済金額が一定となる元利均等返済方式を採用しています。

実際に元利均等返済方式で計算してみよう

上記で、元利均等返済方式の計算方法が難しい事を説明しましたが、実際にどのような計算式で求めるのか説明します。

ちょっと数学の知識と関数電卓が必要になるので、紙とペンだけで計算するのは難しいかもしれません。

「金利に注意してマイカーローンを選ぼう」で使った、例の表1を元に実際に計算してみたいと思います。

借入金額200万円(ボーナス払い無し)、返済期間5年、金利を1.5%と10%で入れた

金利毎月返済額総返済額
1.50%34,619円2,077,161円
10.00%42,494円2,549,587円

計算式

上記のように、「べき乗」の計算も必要になるため、関数電卓がないと元利均等返済方式の毎月返済金額は、簡単には計算できません。

小数点の切り上げ、切り下げなどにもよりますが、この計算式に当てはめると、大体1.5%の金利であれば34,619円前後の数値が出てきます。

※月利とは年利1.5%を12で割った数字になります。

それでは毎月の返済金額の中から利息の金額を計算してみましょう。利息の計算方法は簡単にできます。

まず初回の返済金額の利息になりますが、

200万円×1.5%÷12カ月=2,500円

となります。毎月の返済金額が34,619円なので、内訳は下記の表のようになります。

1回目の返済金元金利息
34,61932,1192,500

2回目の利息は、元金が2,000,000円から32,119円を引いた金額で計算します。

(2,000,000ー32,119)×1.5%÷12カ月=2,459円

2回目の返済金元金利息
34,61932,1602,459

上記のように返済回数が進むにつれて「利息の金額が減ってきます」。毎月の返済金は変わらないため、元金の金額の割合が大きくなっていきます。

元金が大きい時程利息が大きいという事は、繰り上げ返済する場合もなるべく早い方が良いという事です。

ある程度まとまったお金ができて、繰り上げ返済しようとするときに、同じ100万円でも最初に繰り上げ返済してしまうのと、最後に繰り上げ返済するのとでは、「早い段階で繰り上げ返済」した方がメリットが大きいので、注意してください。

銀行のマイカーローンとディーラーのクレジットの違い

マイカーローンにも色々な種類がありますが、銀行で組む場合と、ディーラーや中古車専門店などで契約できる場合等があります。

一般的に、銀行系のマイカーローンの金利は「低く」なっていて、ディーラー等で組むマイカーローンは金利が「高い」傾向にあります。

一部のディーラーでは、車種別や専門のクレジット会社を使って比較的安い金利のクレジットを、用意している場合もあるようです。

teacher
「買いたい車がみつかったら、自動車販売店のクレジットを利用するか、銀行等の金融機関のマイカーローンを利用するかよく検討してみましょう。」

ディーラーや中古車販売店のクレジットの場合の注意点

ディーラー等でクレジットを組んで分割払いで購入した際の注意点として、「車の所有権」の問題があります。

クレジットや信販会社を通してローンを組んだ際、その車の所有権はクレジット会社や信販会社、またはディーラーの名義となる事がほとんどです。これは、「車が担保となってお金を借りている状態」と同じです。

万が一、返済できなくなってしまうようなことがあった際は、その車を引き上げて売却等してしまい、ローンが回収できなくならないように、クレジット会社が措置を取っているという事です。

それに対して銀行等の金融機関で借りた場合は、車の名義は「所有者本人」になります。

銀行のマイカーローンは、基本無担保ローンといって担保を取らずお金を貸すからです。その代り、金利の他に保証料といって、万が一返せなくなった場合は、保証会社が代わりに返す分の費用が、利息の他に掛かかります。

中には金利の中に、保証料も含まれて表示されている場合もありますが、金利の他、別途保証料がある場合があるので、「金利1.5%」と表示があっても、別途保証料「0.5%」が必要です。

そのため実質金利負担は、「2.0%」となるケースもあるので、銀行でマイカーローンを申し込む際は、保証料の取り扱いがどうなっているのかも聞いておきましょう。

所有権がクレジット会社やディーラーだと問題があるのか

man
「クレジット会社や信販会社をつかってディーラーでローンを組んだ場合、何か問題があるのでしょうか?」

日常車を使用している分には、特に問題はありません。

しかし、例えばローンの残高がまだ残っている時点で、車の売却を検討している場合などに「勝手に売却できない」などの不都合が生じてきます。

万が一途中で売却を検討している場合は、残額を返済して名義を所有者(自分)の名義に「変更する手続きが必要」となります。

また、同様に返済期間が終わりローンの残高が無くなった場合も、クレジット会社等の名義から所有者(自分)に名義変更の手続きをする手間が生じてきます。

それに対して、銀行系のマイカーローンを組んだ場合は、担保として車の所有権はありませんので、ローンの返済中に勝手に車を売却してしまっても問題ないという事です。

銀行系のマイカーローンでよくあるケースとして、マイカーローンの残債がまだ50万円残っていても、新しい車を購入するために、200万円借り増しして総額250万円のマイカーローンとして、組直すこともできる金融機関もあります。
teacher
「ディーラーや中古車販売店のクレジットや信販系ローンは車を担保として貸しているのに対し、銀行系のマイカーローンは、あくまで個人に対して貸し付けを行っていると考えてください。」

返済金額のシミュレーション

返済方法は、銀行系のローンでも信販・クレジット会社のローンでも、ほとんどが元利均等返済方式を用いている事について説明しました。

また、元利均等返済方式の場合は、毎月の返済金額を算出するのに、高度な計算式が必要な事についても上記で説明しました。

実際にマイカーローンを借りようと思った場合は、銀行やクレジット会社のホームページから返済シミュレーションを利用して偏差金額を計算するのが一番早く済みます。

返済シミュレーションが用意されている金融機関を何社か紹介しますので、自分が買いたい車を何年払いだと毎月いくらになるか、またボーナス払いについても計算できますので是非有効活用して計算してください。

三井住友銀行「マイカーローン」

返済期間から毎月やボーナスの返済金を計算できるほか、希望の返済金額から返済期間がどのくらいになるかも計算できます。

JAバンク「マイカーローン返済シミュレーション」

全国にあるJAバンク(農協)のマイカーローンのシミュレーションになります。

金利については、各JAバンクによって違いがありますので、お近くのJAバンクのホームページ等から確認して入力する必要があります。

スズキファイナンス(株)「簡単ローン計算」

全国にあるスズキディーラーで取り扱っている、スズキのクレジットの返済シミュレーションになります。

アプラス「カンタンローン計算」

クレジット・信販系のアプラスのローンシミュレーションになります。アプラスのマイカーローンは、クレジット・信販系では珍しく、車の名義は所有者名義となります。

残価設定型自動車ローンとは

最近になって登場した、残価設定型自動車ローンとは一体どういったものかについても簡単に説明します。

残価設定型自動車ローンは、最初は通常のマイカーローンと同じように支払いをしていくのですが、決まった年数になると

  1. 車をディーラーに返却する
  2. 車を乗り換えて新たにローンを組む
  3. 残りを一括で支払う
  4. 残りをローンで継続して支払う

と上記のどれかから選ぶことになります。1と2は、月々の返済が終了する代わりに、車を返却しなければなりません。

しかし、中古車販売店などに売却する時とは違い、一定の基準内であれば「追加で料金の支払が発生しない」というメリットもあります。月々の支払だけでリース契約をしているのと似ています。

乗っていた車が気に入った場合はそのまま継続して乗り続ける事もできます。

3の場合は、残額を一括で支払いそのまま購入して名義も自分にしてしまうという事です。

4の場合は、残高を再度ローンとして分割払い契約にし、引き続き支払いを継続するケースとなります。

残価設定型自動車ローンは、マイカーローンの種類の中の一つですが、車を色々乗ってみたい、古くなって維持費がかかる前に手放したいといったニーズに応えるためにありますので、選択肢の一つとして注目しておきましょう。

これらの残価設定型のマイカーローンは、基本的に銀行では扱っていませんので注意が必要となります。

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