マイカーローンの仮審査(事前審査)の基準とは?仮審査で落ちないための注意点


自動車雑誌やWebサイトで情報を集めて車種を絞り、ディーラーに赴いて試乗。

営業マンとの丁々発止の値引き交渉を勝ち抜いて大幅な値引きをゲットする。

クルマ購入で一番テンションの上がる時です。

ところが、後は事務手続きだけと思っていたところへ「残念ながら今回のローンのお申し込みは見送らせていただくこととなりました」という知らせが。

全てはご破算。クルマ選びを一からやり直すどころか、「クルマの購入」自体を考え直さなければいけないかもしれません。

こんなマイカーローンの審査での悲劇を生まないために役立つのが「仮審査」

本審査を受ける前に「審査に通るかどうか判断してくれる」便利なシステムです。

今回の記事では、

  • 仮審査とはどういったものなのか
  • 仮審査と本審査の違い
  • 仮審査で調べられる項目
  • 仮審査を複数申し込んでも大丈夫?

などといった内容について詳しく解説します。

マイカーローンを利用してクルマを購入しようと考えている方必見の内容です。

ぜひ最後までお付き合いください。

マイカーローンの仮審査とは?

そもそも仮審査とはどういったものなのでしょうか。本審査との比較も含めて解説していきます。

仮審査で判断できることとは?

そもそもローンが組めるのか?

仮審査で判断されるのは「返済能力」です。

現在の勤務先、収入状況などの個人情報から「借りたお金をきちんと返していけるかどうか」をチェックされます。

つまり「そもそもローンを組む資格があるかどうか」ということが分かるわけです。

いくらくらいまでのローンが組めるのか

仮審査ではローンが組めるかどうかだけではなく、借入可能金額、つまり「いくらまでなら借りることができるか」ということも分かります。

どのクルマまで手が届くのかが分かるので、クルマ選びに具体性を持たせることができるのです。

仮審査を利用するメリット

では仮審査を利用するメリットはどういった点にあるのでしょうか。

本審査に通るかどうかの当たりが付けられる

仮審査に通れば必ず本審査にも通るわけではありませんが、「返済能力に問題なし」と判断されたわけですから、かなりの確率で本審査もパスできるということが分かります。

「せっかく契約までしたのに審査で落ちてしまった・・・」という悲劇を未然に防ぐことができるのです。

いくらくらいまでのローンが組めるのかが分かる

クルマを買おうと考えても、予算がいくらまで使えるのかが分からなくてはそもそも車種やグレードが絞れません。

仮審査を行えばいくらくらいまでのローンが組めるのかが分かるので、「クルマ購入の予算」を決定することができます。

購入計画が立てやすくなる

仮審査でOKが出れば、クルマ購入の予算だけではなく、ローンの支払い回数や支払い方法(ボーナス併用、据え置き型マイカーローンなど)なども絞り込むことができます。

すると「いつまでに車種を絞り、ディーラーで交渉をして購入を決定すれば良いか」といった購入計画が立てやすくなります。

また返済計画も明確になるので、他の出費との優先順位を調整するなど、ファイナンスプランを立てることにも役立ちます。

条件のいいマイカーローンを選ぶことができる

仮審査を受けたからといって必ずしもローンの申し込みをしなければいけないというわけではありません。

そのためいくつかの金融機関で仮審査を受けて、金利やキャンペーン適用状況など、よりよい条件のマイカーローンを選ぶこともできます。

クルマを購入するときもいくつかのディーラーを回って比較検討すると思いますが、マイカーローン選びでもそれができるというわけです。

仮審査と本審査との違い

では仮審査と本審査はどのように違うのでしょうか。

仮審査は返済能力、本審査は信用情報をチェックされる

先ほどご説明したとおり、仮審査では申込時に申告した内容、勤務先や年収、持ち家か賃貸かという情報を元に「返済能力」を判断します。

本審査ではそれらの情報が本当であるか「裏を取る」という作業が行われます。

本審査でチェックされること

在籍確認

本審査でチェックされるのが、本当に申告された勤務先に勤めているかを確認する「在籍確認」です。

マイカーローンを提供する金融機関としては、とにかく「確実に返済してくれる人」ということが重要です。

そのため安定した収入があること、つまり「しっかりとした勤務先にちゃんと勤めている」ということをチェックする必要があります。

具体的には勤務先に「●●様(マイカーローン申込者の名前)いらっしゃいますでしょうか?」という電話がかかってきて、

  • ローンを申し込んだことに間違いがないか
  • ローンの内容をきちんと理解しているか
  • 月々の支払額などを把握しているか、またその金額に間違いはないか

といった点を口頭で質問されます。

時間的には3分前後で終わる内容ですが、勤務先の周りの方には「マイカーローンの在籍確認があること」を事前に伝えておくことをおすすめします。

信用情報機関への問い合わせ

「ブラックリスト」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

このリストに名前が載ると、クレジットカードが作れなくなったり、銀行で住宅ローンなどを組むことができなくなると言われているものです。

実際にブラックリストと呼ばれているものがあるわけではないのですが、自己破産やクレジットカード・ローン返済の長期延滞といったいわゆる「金融事故」を起こした人は、個人情報が「信用情報機関」に登録されます。

これが俗に「ブラックリストに載った」と言われる状態なのです。

信用情報は非常に機密性の高い個人情報なので、一般人は閲覧したり、確認することはできません。

しかし貸金業登録をしている金融機関であれば、この情報にアクセスすることができます。

マイカーローンを審査する金融機関は、申込者が過去に金融事故を起こしていないかをこの時点でチェックするのです。

保証会社の審査

銀行系のマイカーローンの場合、金融機関は契約者が返済不能になる状態、いわゆる「貸し倒れ」になることを絶対に避けたいと考えます。

そのため契約者と金融機関との間に「保証会社」を介在させます。

万が一契約者が返済不能になった場合は、この保証会社が代わりに返済をしてくれるというわけです。

仮審査ではこの保証会社の審査はありませんが、本審査の場合は保証会社も審査をします。

保証会社としてもできる限り返済不能のリスクは避けたいわけですから、入念に審査を行います。

銀行系マイカーローンの審査が厳しいといわれるのは、この金融機関と保証会社の「ダブルチェック」があることも一つの理由となっています。

こういう人には仮審査がおすすめ

仮審査の最大のメリットは、「本審査に通るかどうかの当たりがつけられる」ということでした。

そのためマイカーローンの審査に落ちる可能性のある人には特におすすめです。

具体的には以下のような方に向いているといえます。

年収が低い人

マイカーローンを提供する金融機関としては、貸したお金を「確実に返済してくれる人かどうか」という点が一番重要となります。

そのため年収があまりに低い人は審査に通りにくくなっています。

具体的には年収200万円以下の場合、マイカーローンの審査に通るのは厳しくなります。

該当する場合は仮審査で通るかどうかを確認し、通らなかった場合は、

  • 頭金を貯めて多めに支払う
  • 保証人を立てる

といった対策を取る必要があります。

派遣社員や契約社員など、非正規雇用の人

確実に返済してもらうためには安定した収入があることが必要です。

そのため契約を打ち切られ、収入が途絶える可能性のある「派遣社員」「契約社員」といったいわゆる非正規雇用の人はマイカーローンの審査に通りにくくなっています。</p>

そこで年収が低い場合と同様に仮審査でチェックを行い、通らなかった場合は正社員として職を探すか、保証人を付けるなどの対策を行います。

転職や就職したての人

転職や就職したての人はまだ職場に定着しているとは言えず、退職してしまったり、また再転職してしまう可能性があります。

結果的に非正規雇用の人と同じく収入が安定せず、それが理由で審査に通りにくくなってしまいます。

転職・就職後1年はマイカーローンの申込は控えた方が無難です。

審査に通るか不安に思っている人

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「年収が低いのでマイカーローンの審査は通らないのではないか」

「最近転職してしまったので審査は難しいのではないか」

といった理由で、マイカーローンの審査に通るかどうか不安に思っている人にも仮審査はおすすめです。

本審査の場合、「マイカーローンの本審査を受けた」「マイカーローンの本審査に落ちた」という情報は金融機関の間で情報共有されるため、一度落ちるとしばらくは本審査に通ることはできません。

仮審査の結果はそのように情報共有されることはないため、心配な人はまず仮審査で様子を見ることをおすすめします。

仮審査で入力する主な項目

仮審査の申込は、ネット申込が主流となっています。

そのため入力を全て終えて申込が完了するまで10分もかからないほどです。

その際入力する項目は以下のようになっています。

  • 申込者の本人情報
  • 年収
  • 申し込み内容
  • 他のローン、クレジットなどの利用状況
  • 所得金額を証明する書類(必要ない場合もある)
  • 給与証明書
  • 源泉徴収票

注意していただきたいのは、仮審査だからといって「いい加減な情報を記入しない」ということです。

「審査に通りやすいかな」と考え、年収を多めに記入したり、現在は契約社員なので、以前正社員だったときの勤務先を記入したりしても相手はプロです。豊富なデータに照らし合わせたり、調査が入ったりしてすぐにバレてしまいます。

本審査の段階でこれらの「虚偽申告」がバレると、審査は100%アウトです。

申込に必要な情報は必ず正確に、正直に記入するようにしてください。

仮審査の結果が出るのにはどれくらいかかる?

最短で当日

仮審査は本審査と異なり、在籍確認や保証会社の審査を行いません。

本審査の場合は、銀行系マイカーローンなどでは1週間以上かかる場合もありますが、仮審査の場合は「最短で当日、長くても2~3日」で結果がでます。

そこでクルマの購入を急ぐ場合、とりあえず仮審査を申し込んでおき、審査に通りそうかどうかを確認しておくことをおすすめします。

メール・電話・郵送で結果が通知される

郵送で結果が送られてくる場合もありますが、ネット申込が主流の現在、ほとんどはメールか電話でスピーディーに結果が通知されます。

仮審査の有効期間

仮審査結果の有効期間は一般的に2~3ヶ月となっています。

これは2~3ヶ月以上経過すると、勤務先や信用情報などが変わっている可能性が出てくるからです。

有効期間が過ぎてしまった場合、再度仮審査を受ける必要があります。

仮審査が通れば本審査も安心?

「仮」とはいえ審査は審査。

では仮審査に通れば、本審査もOKなのでしょうか?

仮審査に通れば本審査も基本的に通ることが多い

本審査で行われるのは勤務先への在籍確認や信用情報機関への問い合わせなど、仮審査で申告された申込者の情報の「確認作業」が中心です。

そのため仮審査の時点でOKが出ていれば、基本的に本審査にも通ることが多くなっています。

申込内容の虚偽や変更がある場合はNG

実際とは違う勤務先を記入したり、年収を多めに申告するなど、申込内容に虚偽や変更がある場合はそれだけでNG、アウトです。

過去に金融事故を起こしたことがある場合もNG

過去に金融事故を起こしていた場合も本審査は通りません。

金融事故とは、

  • ローンやクレジットカードの返済を2~3ヶ月以上延滞する「長期延滞」
  • 借金を減らすために任意整理や破産などの手続きを行う「債務整理」
  • 自分で返済ができなくなり、保証会社などに代わりに返済してもらう「代位弁済」
  • 長期延滞などが続き、ローン会社やクレジットカード会社から契約を打ち切られる「強制解約」

などをいいます。

また「過去に」とはおおよそ5年以内を指しています。

金融事故の種類

信用情報への登録期間

長期延滞

延滞解消後1~5年

債務整理

発生後5~10年

(破産以外は最長5年)

代位弁済

発生後5年

強制解約

発生後5年

最近金融事故を起こしてしまった場合、マイカーローンの本審査をパスすることはほぼ不可能です。

仮審査に通ったらできるだけ早く本審査を申し込む

金融機関側としては、仮審査の直後に本審査を申し込んでもらえれば、仮審査で申告された内容の確認作業だけですみます。

ところが仮審査から一定時間が経っていると、念のためまた一から審査をやり直さなければなりません。

その分慎重に、丁寧に審査がなされるため、思わぬ「ボロ」がでて審査に落ちてしまうことも考えられます。

また仮審査と本審査の間に「携帯電話の料金が引き落とせなかった」など、軽微な延滞が発生し、それが原因で本審査に落ちてしまうこともあります。

そういった目に遭わないためにも、仮審査にパスしたら、できるだけ速やかに本審査を申し込むようにしてください。

仮審査を複数のローン会社に申し込むのはあり?

1社だけでは不安だからといって、複数のローン会社に仮審査を申し込むのはどうなのでしょうか?

「申込ブラック」に注意

本審査は「審査を受けた」という情報が金融機関同士で共有されるため、複数のローン会社に申込を行うと、いわゆる「申込ブラック」に該当し、それだけでローン審査に落ちてしまう場合があります。

「節操なく申し込んでいるのは焦っているから?何か理由があるのか?怪しい」と考えられてしまうわけです。

仮審査についてはそのような情報が共有されないことになっていますが、あまりにも多く申込を行うと、不審に思われ、情報が共有されてしまうかもしれません。

仮審査の「申込ブラック」にも気をつけましょう。

金利などを検討し、絞ってから申し込もう

マイカーローンの比較サイトなどを見ると、適用金利などが一覧となっていて検討するのに便利です。

また住宅ローンを利用していたり、給料の振込口座を持っていると「優遇金利」が適用される金融機関もあります。

それらの情報をしっかりと整理し、申込対象を2~3社以下に絞ってから申し込むようにしましょう。

銀行系それともディーラー系、申し込むのはどっち

  • 銀行系マイカーローンは金利が低く、審査が厳しい
  • ディーラー系マイカーローンは金利は高いが審査が緩やか

メリットが多く、デメリットはほとんどない仮審査は積極的に利用すべき

マイカーローンの審査に通るかどうかが本審査の事前に分かり、借入可能金額が分かるためクルマの購入計画が立てやすいなど、仮審査はメリットが多いです。

それに比べ、極端な複数申込をしない限り、デメリットはほとんどありません。

ネット申込が主流となっているので、申込にかかる時間も10分程度です。

安心してクルマの購入検討、値引き交渉に望むためにも、仮審査を上手に利用して、有利な条件でマイカーを手に入れてください。

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