マイカーローンが審査落ちしたときに取るべき対策10選


「車種選びから始まった自動車の購入も、最終的な条件交渉を終えて注文書に印鑑を押せばほぼ終了。後は納車の日を指おり待つばかり。」

と思っていたら、

「申し訳ございません。今回のマイカーローンのお申込みは見送らせていただくことになりました。」

との連絡がありがました。夢のマイカー生活が音を立てて崩れ去っていく瞬間です。

マイカーローンの審査に落ちるのには必ず原因があります。原因が分かれば、その対策を取ることも可能です。

そこで今回の記事では、

  • マイカーローンの審査に落ちる10の原因
  • マイカーローンの審査に落ちた場合の対策10選

という「原因と対策」を徹底的に解説します。

マイカーローンの審査に不安を持つ人必見の内容です。ぜひ最後までお付き合いください。

まずは審査に落ちた原因を分析しよう

マイカーローンには、

  • 銀行系
  • 信販会社系
  • 自動車ディーラー系

がありそれぞれ審査の厳しさが違いますが、「審査に落ちた」場合の原因は共通しています。

そこでまずは「自分はなぜマイカーローンの審査に落ちたのか」という原因を分析していきましょう。

代表的な原因を10個紹介していくので、自分の場合はどれに当てはまったか確認してみてください。

1.過去に金融事故を起こしている

過去に「金融事故」を起こしていると、マイカーローンの審査にパスすることは難しくなります。

金融事故とは他のローンやクレジットカードの支払いに問題が起こることを指し、金融事故を起こすといわゆる「ブラックリスト(信用情報)」に個人情報が登録されます。

代表的な「問題」とは以下のようなものです。

長期延滞

ローンやクレジットカードの返済を、2~3ヶ月以上の長期に渡って延滞した場合は「長期延滞」とみなされます。

債務整理

借金(ローンやクレジットカードの支払いも含む)を減らすために任意整理や破産などの手続きを行った場合。

「借金が半額になります!」などとCMをしている、法律事務所や司法書士事務所に依頼して借金の減額を実行した場合が、これにあたります。

代位弁済

自分でローンや借金などの返済ができなくなり、保証会社などに「代わりに支払ってもらった」ことを代位弁済といいます。

強制解約

長期延滞などが続き、ローン会社やクレジットカード会社から契約を打ち切られることを強制解約といいます。

2.ローンなどの支払いを過去に延滞していたことがある

直近1年でローンやクレジットカードの支払い、携帯電話の割賦払いなどの延滞(長期延滞には当たらない短期のもの)がある場合、マイカーローンの審査に落ちる場合があります。

短期の延滞でも、信用情報機関には記録が残ってしまうためです。

3.収入における返済負担率が高い

いくら高年収であっても、そのほとんどが借金などの返済に充てられている場合、マイカーローンの審査にパスすることはできません。

審査では「返済負担率」をチェックされます。

返済負担率とは、「年収のうち、何%を借金の返済に充てているか」を示すもので、「借金の年間返済額÷年収×100」で計算されます。

年間返済額に含まれる借金の種類としては、

  • ローン(住宅、他の自動車など)
  • カードローン・クレジットカードのキャッシング
  • クレジットカードの分割払い・リボ払い
  • 携帯機種代金の割賦代金
  • 奨学金

などとなっています。金融機関によっても異なりますが、返済負担率が35~40%程度になると審査が厳しくなります。

つまり年収が600万円あっても、

  • 住宅ローン月12万円(年間144万円)
  • 今回の自動車ローン予定額月5万円(年間60万円)
  • 携帯機種代金の割賦払い月5,000円(年間6万円)
  • クレジットカードのリボ払い月2万円(年間24万円)

の返済をしていると、年間返済額が234万円になるので返済負担率は、

234万円÷600万円×100=39.0%

となり、審査に通ることは難しくなります。

4.直近に他にもローンの申込みをしている

マイカーローンの申込の直近に他のローン、特にカードローンの申込などをしている場合は審査にパスすることが難しくなります。

他のローンの返済がかさむことで、返済能力に疑問が生じますし、カードローンのような高金利のローン申し込みをしていれば「お金に困っているのか?」という疑問を持たれてしまうからです。

5.正社員以外の雇用形態の場合

銀行やローン会社は「お金を確実に返済してくれるか」という点を審査します。

そのためには安定した収入が一つの条件となります。

そこで契約を打ち切られてしまう可能性がある、派遣社員・契約社員やアルバイト・パートなど正規雇用でない雇用形態の場合、審査に通らないことがあります。

6.一定以上の年収がない

一般的に年収200万円以下の場合は、マイカーローンの審査に通ることは難しくなります。

絶対的な年収が少ないと上記した返済負担率の面でも厳しくなりますし、年収から生活費、住居費などを差し引いた額も少ないため、返済が困難になると考えられるからです。

7.就職・転職して1年未満の場合

上記した雇用形態の場合と同じで、就職・転職したばかりの人は職場に定着しておらず、退職、再転職の可能性があり収入が不安定になる可能性があるからです。

8.税金を滞納している

ローンやクレジットカードの支払を滞納している場合、税金や公共料金等も滞納しているケースが多くなります。

国民の義務である納税さえ、まともにできない人は返済能力に問題があると見なされます。

そのため税金の滞納がある場合、審査に通ることは難しくなります。

9.職業が水商売、自営業、経営者、役員などの場合

職業差別があるわけではなく、水商売や自営業者の場合は単純に「毎月の収入が安定していない」ことが原因です。

また経営者、会社役員などもマイカーローンで借りたお金を事業資金に転用する可能性があるため、審査に通りにくくなっています。

10.勤務先や年収などについて虚偽の申告をしていた場合

現在正社員ではなかったり、定職についていないため、過去の勤務先で申込みをした場合、直ぐに「バレ」てしまいます。当然ですが審査は通りません。

マイカーローンを申し込むと銀行やローン会社から「在籍確認」として会社に連絡が入り、チェックされるためです。

また年収を多めに申告した場合も、業種、会社の規模、年齢、勤続年数などからおおよその年収は分かるので、こちらもバレてしまいます。

マイカーローンを諦めない審査対策10選

マイカーローンの審査に落ちたほとんどの人が、上記した理由のどれかに当てはまっているはずです。

そこでここからは、そんな方々でも「なんとかして審査に通る」ための10の対策を解説していきます。

対策1.自分の信用情報を確認してみる

実は「金融事故」は自分の意識していないところで起こっている可能性もあります。例えば最近携帯電話会社を変更した場合などです。

違約金の関係から、携帯電話会社を乗り換える場合は24ヶ月目の場合が多くなります。

この24ヶ月という点が曲者で、実は携帯電話の割賦払いは、25ヶ月目まであることが多いのです。

利用者としては次の月からは新しい携帯電話会社になっているのでそちらに料金を支払っていくわけですが、実は古い携帯会社にも1ヶ月分の支払いが残っている。

「たった1ヶ月分」なので面倒くさかったり、軽く考えていて支払いを延ばしていると、これが「長期延滞」と見なされ金融事故となってしまうわけです。

マイカーローンの審査に落ちた場合、まず自分の信用情報を疑い、確認してみることをおすすめします。

金融事故の記録はいつまで残る?

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「ではどれくらい前の金融事故まで信用情報機関に登録されているのでしょうか?」
金融事故の種類信用情報への登録期間
長期延滞延滞解消後1~5年
債務整理発生後5~10年
(破産以外は最長5年)
代位弁済発生後5年
強制解約発生後5年

おおよそ5年、長期延滞であればそれよりも短期間で登録が消える場合もあります。

自分の信用情報を確認する方法

現在日本には個人の信用情報を登録・管理している期間が3つあります。

  • CIC:主にクレジットカードの情報を登録
  • JICC:主に消費者金融の情報を登録
  • JBA:銀行からの借入・返済状況、事故情報、官報記載状況を登録

本人であれば、どの信用情報機関も情報を開示してくれます。具体的な方法は以下のとおりです。

信用情報機関名情報開示方法手数料受付日時
CIC
(株)シー・アイ・シー
インターネット1,000円
(クレジット決済のみ)
毎日
8:00~21:45
郵送1,000円
(定額小為替証書)
申込から10日程度で開示報告書が到着
窓口500円(現金)平日
10:00~12:00、13:00~16:00
JICC
(株)日本信用情報機構
スマホアプリ1,000円
クレジットカード、コンビニ払い、銀行振込
24時間365日
(メンテナンス時間帯を除く)
郵送1,000円
クレジットカード
定額小為替証書
申込から10日程度で開示報告書が到着
窓口500円(現金)平日
10:00~16:00
JBA
(社)全国銀行個人信用情報センター
郵送1,000円
定額小為替証書
申込から10日程度で開示報告書が到着

※いずれも問い合わせの際に、運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等の本人確認資料が必要となります。

対策2.高収入の保証人をつける

銀行やローン会社側が心配するのは「貸したお金が回収できない」という状況です。

であれば、その心配を取り除けば審査に通る可能性があります。

一番効果があるのは、「安定して高収入を得ている人を保証人につける」ことです。金融機関側としては契約者が支払不能になった場合は保証人に請求すれば良いので、審査で落とす理由が無くなります。

ただそのように都合の良い保証人が身近にいるかという問題と、身近にいても保証人になってくれるかという問題があります。

また自分が金融事故を起こしている場合、生計を一つにしている親族(配偶者や同居の親族など)は保証人として認められない場合があるので注意してください。

対策3.借入金額を減らす

収入や信用状況に対して借入金額が多すぎて審査に通らない場合があります。

そこで借入金額を減らし、再度審査を申込みます。

新車を諦めて中古車にするなど借入金額を減らす

一部高級車を除き、車は新車登録された瞬間に中古車となり、価格は一気に下がります。

そこで新車購入は諦めて、中古車にして必要な購入資金を下げます。

おすすめはデモカー。ディーラーが試乗車として使用していたものを指しますが、中には決算時期の新車登録台数を稼ぐために無理やりデモカー登録したものもあり、走行距離が数十キロという「ほぼ新車」のものもあります。

それでも新車よりは価格が下がっていますから、借入金額を減らすためには有効です。

車のグレードを落として借入金額を減らす

どうしても新車購入にこだわる場合は、車のグレードを下げます。

また一つ下のグレードでも「特別仕様車」として上級車と同じ装備が手に入る場合もあるので、それを狙うのも一つの方法です。

対策4.頭金を増やす

頭金を増やす効果は借入金額を減らすだけではありません。金融機関側は、頭金が多い契約者を「貯蓄をする計画性のある堅実な人物」と判断します。

そのため信用度が上がり、審査に通りやすくなります。

対策5. 雇用形態や年収を見直す

簡単なことではありませんが、転職をして正社員となり、年収アップをはかるというのは有効な手段です。

対策6.他の借入金を支払い返済負担率を下げる

今回申し込むマイカーローン分以外の借入金支払いをできる限り済ませ、返済負担率を下げます。

例えば住宅ローンの繰越返済をして月々の返済額を下げたり、ボーナスを利用してリボ払いを精算するなどが考えられます。

対策7.カードローンなどは解約する

消費者金融やカードローンなどは利用自体が審査に悪影響を与えます。

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借入金を精算できるものは精算し、必要がなくなれば解約しましょう。

対策8.ローンを申し込む信販会社を変更してみる

ローン先の信販会社を変更することで、マイカーローンの審査に通ることがあります。

これは信販会社によって信用情報の扱いに差があり、例えばA社では3年前までの長期延滞を審査の対象にするのに対し、B社では1年以内のものしか審査対象にしないといったことがあるからです。

対策9.ディーラー系マイカーローンに申し込んでみる

マイカーローンの審査は、

ディーラー系<信販系<銀行系

の順に厳しくなっていきます。

銀行系はリスクを避けるために、別途信販系の保証会社を間に入れています。契約者が返済不能に陥った場合は、保証会社に返済額を立て替えてもらうわけです。

保証会社も立て替えはできるだけ避けたいので審査を厳しくしますし、これに銀行自体の審査も加わり「二重審査」となるので厳しいわけです。

信販系の場合は自身が保証会社を兼ねているので、二重審査にならない分銀行系よりは幾分緩やかになります。

ディーラー系の審査が一番緩やかなのには、2つ理由があります。

一つは「とにかく車を売りたい」ということです。ディーラーの仕事のメインは自動車の販売であり、人事考課や給料査定も販売台数ベースで行われます。

そのため少しくらい信用度に問題のある人でも審査を通し、車を売ってしまうわけです。

もう一つの理由はディーラー系のマイカーローンの場合はほとんど「所有権留保」が付くということです。

所有権留保とは、実際車を購入した人に車の「所有権」を渡さず、ディーラーやディーラー系のローン会社が所有権を保有するというものです。

マイカーローンの契約者は車の「使用者」として車を利用することになります。

あくまで所有権はディーラー側にあるため、ローンの支払が滞った場合は車を契約者から引き上げ、中古車として販売するなどして資金を回収することができます。

一種の担保として機能するため、審査を緩めにしても一定の保証は得られるわけです。

このようにディーラー系のマイカーローンは審査が緩やかなため、銀行系などの審査に落ちた場合でも、ディーラー系で再度申し込めば審査に通る場合があります。

ただディーラー系のマイカーローンには「金利が高い」というデメリットがあります。銀行系が1.5%~3%未満なのに対し、ディーラー系は4~6%となっています。

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借入金額が大きいマイカーローンの場合、金利が1%違うだけでも総支払額が大きく変わることになるので、この点は注意が必要です。

対策10.中古車販売会社で「自社ローン」を利用する

自社ローンとは、中古車販売会社などが信販会社などを介さずに、自社の資金でローンを受け付けるというものです。

自社ローンを扱う中古車販売会社は、金融機関ではないため個人の信用情報にアクセスすることができません。

そのため独自の審査基準で審査を行うこととなり、結果として他のマイカーローンの審査で落ちた場合でも審査に通る可能性があります。

また金利を取るためには貸金業の登録をしなければならないため、自社ローンの場合は金利がかかりません。

いい事ずくめのように思える自社ローンですが、もちろんデメリットもあります。

あまり高額なローンは組むことができない

自社ローンは販売店が自社の資金を使って行うものなので、金融機関に比べ資金に限りがあります。

そのため適用されるローン金額は60~120万円程度となっており、高額な車には利用することができません

金利分が車両価格に上乗せされる

自社ローンでは金利を取ることができないことは説明しましたが、その分を車両価格に上乗せして販売し、実質的な金利とすることがほとんどです。

上乗せされる金額は、車両価格の10~20%程度が相場となっています。

所有権留保が付く

ディーラー系のマイカーローンと同じく所有権留保が付きます。

ディーラー系よりもさらに緩やかな、独自の審査をし、資金も自分たちで負担するわけですから、担保として所有権留保を付けるのは当然と言えます。

デメリットとして所有権は販売者側にあるので、

  • ローンが終わるまでは自由に車の売却ができないこと
  • 支払いが滞ると車を引き上げられてしまうこと

などがあります。

自分の「信用度」を上げることが審査に通る近道

審査に落ちた場合にできる対策について解説してきましたが、結局必要なのは、銀行やローン会社が「この人ならお金を貸しても大丈夫」と思ってくれる「信用」です。

マイカーローンに申込み車を購入しようと考えるのであれば、まずは自分の生活を見直してみて、「自分だったらお金を貸そうと考えるか」と自問してみてください。

結局はそれがマイカーローンの審査に通る近道となります。

皆さんが豊かなカーライフを送ることを応援しています。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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